3月21日(日)にオンラインにて、BeYond Labo #48が行われました。
近年、認知度が高まっている「SDGs」。実は私たちの身近な暮らしと密接に関係しています。本イベントでは、前半と後半の二部に分け、暮らしの中でできるSDGsアクションを考えることを最終目標に設定。
イベント前半では、学校の授業でSDGsを積極的に取り入れている山藤旅聞(さんとうりょぶん)さんをBeYonderに迎えてお話を聞き、参加者で疑問や感想をシェア。後半では、2020年11月にリニューアルされた武蔵野市の環境啓発施設「むさしのエコreゾート」の魅力を現地からご紹介。
BeYond Labo #48「ひとりの小さなSDGsから みんなで続ける大きなSDGsへ」のレポートをお届けします。
「気づいたらSDGs」山藤さんトークイベント
イベント前半は、新渡戸文化中学校・高等学校で生物の教諭をされている山藤さんをゲストに迎え、学校と社会課題を接続するSDGsを取り入れた授業や活動、大人は子ども達にどう向き合っているのかについてお話を聞きました。
(1)自分と社会・世界がつながっている
「自分と社会はつながっている」感覚を、大人が押しつけず、子ども達が自分で気づくには?
山藤さんは学校で、生徒達が社会課題を自然に意識できる授業を実践しています。学習指導要領に沿った授業を半分にし、あとの半分は独自の授業スタイルです。
独自授業の例として、環境や人権に配慮した制服にできないか企業と生徒が協議をしたり、過疎化問題の解消を目指して東京と地方の2拠点をもつ企業の話を聞いたり、教師が地方に行き、現地からそれぞれの教科の切り口で授業を行うなど。実社会から学んでいます。
また、教科書の中からSDGsのどの目標に該当するかを考えたり、新聞から授業で習ったことを見つけ出したりと、SDGsに繋げるワークも行っているそうです。
「知る・意識する・気が付く・行動する」のうち、ほんの少しでいいので行動に起こして、学びと社会がつながる経験を積み重ねていくことが大切なんです。
(2)学びは利己から利他 地球の未来のための学びへ
心が動く経験をすると誰かに伝えたくなり、利他的なスイッチが入っていきます。
「誰かのために学ぶ」「未来のために学ぶ」そんな利他的なスイッチが入る仕組みを考えた結果、このような授業を行っています。
まず、生徒に自分が好きなことを付せんに書いてもらい、次にその好きなこととSDGsの17項目に分類してもらいました。そのあと、インターネットで検索して、活動している企業・NPO法人・個人に取材に行ってみるということをしたのです。自分が好きなこと、興味のあることが、実はすでに具体的なSDGsアクションになっているということがわかったのです。
(3)主語は生徒(若者)になっているか?
大人がお膳立てするのではなく、教員はやってみたいと思った生徒をサポートすることを大切にしています。
質疑応答
山藤さんのお話を聞いたあとは、グループに分かれてディスカッションタイム。参加者が感想や疑問を出し合い、山藤さんにお答えいただきました。
「SDGsを子ども達にも広げていくためには、地域・学校・家庭で子どもと関わることだと思う。来年からはそのきっかけとして、この教育活動を定期的に保護者に発信し、保護者も巻き込んで一緒に取り組んでいきたいと考えています」と山藤さん。 さらに、未就学児や小学生などの小さい子の利他的な行動は、見逃さずに褒めてあげることが大切だと結びました。
むさしのエコreゾートとは?
イベント後半では、「むさしのエコreゾート」の魅力を現地からご紹介。
「むさしのエコreゾート」は、武蔵野市役所北側のごみ処理施設「旧クリーンセンター」をリノベーションし、2020年11月にオープンした環境啓発施設です。
コンセプトは、「みんなでつくろう!子どもたちに未来をつなぐエコreゾート」。
館内では、環境に関する書籍や展示コーナーで情報収集できたり、ものづくり工房では廃材を使って工作したり、木育つみきやボールプールで遊べたりします。
施設紹介の後はグループに分かれ、暮らしの中でできることや、「むさしのエコreゾート」でやってみたいことについて、活発な意見が飛び交いました。
BeYond Labo #48まとめ
イベントを終えて山藤さんは、「衣食住の中で、住のSDGsが難しいと感じている。今後皆さんと一緒に、住のSDGsについても考えていきたい」。 また、むさしのエコreゾートからは、イベントで出たアイデアを形にしたい、また全国の方と繋がれたので、オンラインイベントも定期的に行い、皆さんと意見交換したいと結びました。